高齢の親が、がんと診断・告知されたら

膨大な情報量に本人だけでなく、家族も理解にひと苦労

がんにかかってしまう人は2人に1人。

決して特別なことではなく、
誰だって「がん」になる可能性があるのです。

 

実家の母が年に1度の特定検診で、
がんが見つかりました。

近くの大学病院で精密検査を行い、
やっぱりがんなので、手術をすることになりました。

母は主治医からいろいろ話を聴いたが、今後の検査や治療の説明等、
情報量の多さに母が理解が難しいとのことで、
私が受診時に同席することになりました。

 

80代の母ですが、女性向けの筋トレに通い、
ここまで目立った持病もなく、
家事など生活全般をやってました。

元気で生活していたので、
ちょっと安心しきっていた私。

それから毎週のように実家へ行き、
受診の付き添い、入院準備、
入院中しばらくひとりで生活する、
父の生活フォローをすることになりました。

 

長期的な療養が必要な病気には、治療や生活の支援が必要

hold one's head年令に関係なく、がんと診断・告知されたら、
多くの人は頭が真っ白になるでしょう。

「まさか、自分ががんなんて・・。」
誰しも思うはずです。

医師からの今後の検査・治療についての説明も、
とにかく情報量が多いので、
全てをしっかり聞き理解することが難しいと思います。

がんと診断・告知されたら、誰か身近な方と一緒に受診をして、
今後の治療やどのように生活をしていくか、
今後の療養の見通しについて、詳しい話を聴くべきです。

患者本人だけでは、話を聴き逃すこともあり、
できたら複数人で話を聞き、お互いの聞き取った内容をすり合わせ、
共通認識を持っておくと良いと思います。

大学病院など大きな病院では、
予約診察であっても、外来での待ち時間はとにかく長いので、
外来で主治医からの説明を聴くだけでも大変。

手術の説明などは、多数の書類と共に説明を受けるため、
本人はもちろん、家族でも情報が多すぎて理解に苦慮するはずです。

 

病院で検査や受診する日は、ほぼ半日を要することが多く、
母はもちろん、私もクタクタになって帰宅。

質問もしたくても、思い浮かばない。
自分がどのようになるか、イメージができない。

今まで入院・手術経験がない母にとっては、
入院生活すらイメージができず、
「まあ、何とかなるだろう」と楽観的に思っていたようです。

母は、実際に手術を受けてみたら、
「こんなことになるとは思っていなかった」と言ってました。

なかなか「手術を受ける」ことまでは了解しても、
術後の生活の変化など、想像は全くできず、
母自身、退院後の生活には、かなり戸惑いがありました。

 

入院中ひとり生活になる父のフォローも

あまり家事をしていなかった80代の父が、
母の入院期間3週間ほど、ひとり暮らしになりました。

ご飯が炊飯器で何とか炊ける程度、
栄養バランスを考えたおかずの準備は難しい。

洗濯・掃除はほとんど母任せ。
父の3週間の生活をどう維持をするか手探りでした。

私はそれまで月1回程度、実家に行ってたものの、
細かい生活の様子、役割分担だったのか、
わかりませんでした。

 

週2~3回の母の面会のついでに、
持参したおかずで、父と実家で夕食を一緒に取ることにしました。

実家に行っても、いつも母とばかり話していたので、
父と面と向かって会話をするのも、
ちょっと戸惑いがありました。

耳が遠くなり、あまりしゃべらない父なので、
認知機能や視力・聴力が低下が気になります。

テレビを大音量でかけていても、あまり聴いている感じもないので、
食事中はテレビを消し、父の話に耳を傾けるようにしました。

話の流れがわかりにくいこともあるのですが、
概ね父の生活の様子や思っていることなど、
じっくり聞けて良かったです。

 

 

 

なるべく早く介護保険申請をしよう!

高齢の親が入院・手術をすることになったら、
早急に介護保険の申請がした方が良いです。

なぜなら、

1週間程度の入院・手術でも、普段の生活でできたことが、
筋力や体力が低下してできなくなる可能性が高いから。

 

母が近年、外出時に転倒したことがあったので、
私は自宅内の玄関やトイレ、
階段に手すりがあった方が良いと思っていました。

介護保険では、手すり設置など住宅改修に20万円上限ですが、
介護保険の認定が降り、役所から工事の許可が得られたら、
住宅改修工事費の自己負担が軽減できます。

それには、
事前に工事内容と費用の見積もりが不可欠。

工事の見積もりは、2つの事業者に依頼し、
実家を見てもらう現場視察の予定を組みました。

手術日が決まったらすぐに、地域包括支援センターへ行き、
介護保険申請手続きをしました。

 

地域包括支援センターの職員の方が、
工事業者の現場視察の際に同席して下さり、
母の身体の様子とどの様な工事をすべきか
アドバイスをもらうことができました。

住宅改修は、手すり設置など決められた内容ですが、
退院後の生活のしやすさを考える良いチャンスです。

介護と住宅の専門家と交えて、
事前になるべく話し合いをすることが、必要なのです。

 

何と言っても、介護保険は申請してから1か月~1か月半ほど、
結果が出るまでに時間がかかるのです。

 

住宅改修の工事は役所に事前申請を行い、
承認通知が出て、工事に着手できます。

勇み足で工事をしてしまうと、介護保険適用できず、
工事が全額自費になるので注意が必要です。

住宅改修の費用も業者によって差があります。

工事の業者の選定も、市役所などの自治体のHPで、
介護保険住宅改修の受領委任払いが可能な業者をリストで上げているので、
その事業者から選ぶと安心です。

結局、見積依頼から工事完了まで、
3か月程度かかりましたが、
手すりの設置ができました。

工事が終了するまでの間、簡易設置の手すりのレンタル、
介護用ベッドのレンタルも利用することができました。

 

介護保険利用するかどうか、入院前だと想像もできないでしょうが、
高齢の親の入院・手術をする際には、介護保険は申請すべきです。

介護認定が出なくても、また利用することがなくても、
問題はありません。

とにかく介護保険を利用を考えるならば、
申請しないと利用はできないので、まずは申請をお勧めします。

 

 

介護者・家族もひとりで抱えず、介護サービスを活用しよう

病院への面会・入退院の手伝い、外来受診同行、
住宅改修の工事業者との連絡調整など、
同時進行で進めるのは本当に大変でした。

退院後も、母がすぐに日常生活に戻るわけでもないので、
週1回程度を実家へ行って、買い物や片づけなど、
家事を手伝っています。

ひとりで実家の生活を支えるのは大変です。

外部で頼めることは、介護保険や民間の家事代行サービスなどを利用して、
支援する家族の負担を減らすことも大切です。

介護保険や民間の家事代行サービスの情報は、
地域包括支援センターから情報を得ることができます。

高齢の親を療養支援することは、長期化することも多いので、
支える家族の生活や健康も維持できることが大切です。

今や介護は、家族だけが抱える時代ではありません。

介護のために退職・離職する必要もなく、
勤務先の有給で取得できる「介護休暇」も、
積極的に利用しましょう。

介護生活は、永久に続くものでもありません。
いつか終わりがやってきます。

上手に介護サービスを利用して、
無理のない範囲で介護生活を送りましょう。

 

 

 

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