満足のいく人生の最期とは?
私は先の訪問看護ステーション勤務時代に、人生の最期の迎え方を目の当たりにしたことで、
死を迎えることを率直に受け入れることができるようになりました。
それまでは、一般の方と同じように「死は怖いもの」と思っていました。
しかし、訪問看護師として在宅での看取りを経験することにより、
本当に満足できる人生の最期は、
自宅で家族に見守られながら迎えることが幸せではないかと思うようになりました。
私が看取りを行った方は「がんの末期でも自宅でゆったり家族やペットと過ごす」
または「自分のやりたい生活を可能な限り行う」など、
その方の生き方を感じることができました。
患者にとって入院生活はアウェー、在宅療養はホームの環境で生活できる
病院に入院していれば、何か身体の変調があっても安心ですが、
病院の決められた規則に従って生活することになります。
自宅であれば自由に生活できますし、何よりも本来の生活の場所です。
病院は医師や看護師の監視下で療養するので、禁止事項が多いのが事実。
しかし自宅療養であると「何かあっても、本人の自己責任」にはなりますが、
病院よりずっと自由な生活が送れます。
私が出会った方で、がんの末期で腸閉塞(イレウス)になり、
飲食は不可でIVH(高カロリーの輸液)をしながら療養する女性を担当しました。
その方はお料理が大好きで、職場の人へたくさん料理作ってよく振舞っていたそうです。
「料理ができないし、食いしん坊の自分が何も食べられずツライ」と話をしてました。
それがある日の訪問した時のこと、
「どうしてもおでんが食べたくて、コンビニのおでんのはんぺんを食べたら、
すごく美味しかったのよ!」と笑顔での報告がありました。
腸閉塞=排便もガスも出ない、常にお腹はパンパンな状態で吐き気も続く。
食べたら吐くしかない。
その時は吐くこともなく、本当に満足感があったとのこと。
私はなんだかキツネにつままれた感じで、びっくりしました。
病院でそのような行動をしたら、医師や看護師に大目玉は確実。
これは自宅だからできること。
食べた満足感は、その方にとって何よりも代えがたい喜びだったようでした。
看取る看護師として、最期を迎える時に大切にしたいこと
私は笑顔で話すその報告を聞いて、その人にとって大事なものは何か?
「医療者は何かと禁止するが、患者にそれをすべて守らせるべきなのか?」
「残り少ない生活の小さな満足感を得ながら、最期を迎えられることが良いのではないか」
そう考えるようになりました。
ご本人にとって充実した最期を迎えることが何より大切で、
私自身も安らかに最期を迎えられたら、どんなにうれしいかと思うようになりました。
誰しもいつかは死を迎えるのです。
でも漠然と死を怖がっていても仕方ありません。
死を迎える家族を看る、介護者ご家族の心身の負担は、本当に計り知れないものです。
どう最期を迎えるか、本人・ご家族の意思をしっかり固め、
穏やかに過ごせることが、残された家族の後悔も少なくて済むような気がします。
そこで
私は満足のいく最期が迎えられるようにお手伝いがしたい!
本人はともかく、それを支える介護者や家族をフォローすることが必要と考え、
訪問看護BLUE*GREENで活動していきたいと思っています。
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