タバコの健康被害について、日本では普及啓発が非常に遅れている

今国会では、受動喫煙に関する議員の発言が、問題になっています。

世界的に喫煙は、健康に害が大きいとして、
たばこのパッケージは、かなりセンセーションなデザインが多いのです。
肺がタールで黒くなっている写真や、喉頭がんが首に表出してきた写真など。
(画像も手元にありますが、ちょっとグロテスクなのでアップしませんが・・。)

日本は国の税収にタバコを当てにしていることもあり、
なかなかタバコの健康被害に関する情報が、
残念ながら少ないと私は思います。

そのためか、日本は国として禁煙に対する啓発活動が弱く、
タバコ・メーカーでも喫煙を分煙を推進することで、
「喫煙は悪いものでない」というような、
イメージCMを流していますが、本当なのでしょうか?

知らぬが怖い、タバコの恐怖

私の実家の父は、1日40本のヘビースモーカーでした。
現在は禁煙していますが、
2年前大腸がんで手術をしました。

当初の予定では、腹腔鏡下での手術の予定でしたが、
手術中に麻酔の影響でか、痰が多く出てきてしまい、
身体への負担を考慮し、急きょ約30センチの開腹手術へ変更になりました。

医師より、長年吸い続けたタバコの影響ではないかと言われたのです。
父は、禁煙してすでに10年以上経過していました。
禁煙すれば、多少肺機能の改善がみられると聞いていましたが、
父については、長年のヘビースモーカーだったことが、
大きな原因であったことに、間違いないようです。

20年前に実家を改築した時も、
タバコの煙対策で居間に換気扇をつけましたが、
結局は、煙やニオイは取れることなく、
気休めだったような気がします。
部屋の壁紙が、たばこのヤニで茶色く変色していました。

私は父がタバコを吸うたびに煙が嫌で、逃げていましたが、
狭い家の中では、本当にツラかった。
子どもながらに「私はタバコは絶対に吸わない」と決めていたので、
私はタバコは吸いません。

意外と高い、医療職者の喫煙率

しかしながら、看護師をはじめ医療関係者は意外と喫煙率が高く、
休憩時間や飲み会などで喫煙者を避けることは、以前は大変でした。
当時昼休みの病院職員用の喫煙所は、
結構な人数の職員で賑わっていました。

仕事上、医療職者は患者さんに禁煙を勧める立場でありながら、
夜勤などでの眠気さましやストレス解消など、
自身の気分転換にタバコを利用しているのは、
珍しいことではありません。

特に女性の喫煙率は、
他の職種より目立って、医療職者が高いのではないかと思います。

近年は医療機関の全面禁煙、一般企業でも社内禁煙というところが増え、
多くの飲食店も禁煙化が広がってきました。

またタバコが、様々な病気のリスクを上げることもクローズアップされ、
禁煙治療が医療保険で適応になりました。

そのおかげで、タバコを吸う人も全体から見ると減少してきており、
タバコでイヤな思いをすることも、少しずつ減ってきましたね。

タバコは、ニコチン依存症や肺の病気への入口

私がクリニックに勤めていた頃、禁煙外来の担当になったので、
たばこの害や禁煙のメリットなど、研修などに出かけて勉強しました。

タバコは違法薬物である大麻などと同じように依存性がありますが、
合法な嗜好品と認められています。

特に若い人は「カッコイイという軽いイメージ」から、
タバコに手を出してしまい、依存という沼に落ちていきます。
年齢が若い人ほど依存性が強く、
心身への影響も大きいと言われています。

またタバコの有害物質は、
がんや肺機能をはじめとして、心臓血管系の病気など
年齢を重ねるごとに身体への負担が増していきます。

特に肺にはタバコの有害物質が沈着して、肺の組織を破壊するので、
肺機能が実年齢より低下していきます。

そして運動すると息切れなどの症状が出ます。
1日のタバコの喫煙本数×年数(ブリックマン指数)が200を超えると
立派なニコチン依存症と診断され、治療の対象となります。

それでも構わずタバコを吸い続けていると、
肺がんや肺気腫など病気ののリスクが増え、肺の機能はどんどん低下。
酸素を吸っていないと苦しくて動けないという、
最悪の状況となってしまいます。

受動喫煙による健康被害

本来健康なタバコを吸わない人の肺の組織は、うすいピンク色のはずなのですが、
タバコを吸わない人でも、家族など身近な人に喫煙者がいれば、
肺はタールの黒い沈着物が多く見られます。
それは受動喫煙の影響なのです。

 

タバコを吸う主流煙による、本人の健康への影響もありますが、
受動喫煙で家族など周囲の方が吸い込む副流煙の方が、
一酸化炭素(CO)や中国で環境問題になるPM2.5などの
有害物質が多く含まれており、健康への害が大きいと言われてます。

喫煙者本人は「自分の健康だから文句は言わせない」と言い切る方もいますが、
周囲は本当のところ、健康面でいったら迷惑なお話。

今ではショッピングセンターや駅など人が多く集まる場所には、
喫煙所を設けているところも多くなりました。

狭く限られたスペースで固まって必死?にタバコを吸っている人達を見て、
中国のPM2.5の環境問題に匹敵する空間に、
好き好んで入っている気持ちが、私には理解できません。

分煙のカフェやレストランもありますが、
人の出入りで結局煙が流れてくるので、完全な分煙は難しいと思います。
人が多く出入りする飲食店なども、全面禁煙すべきであると思います。

タバコを吸っていた人の呼気(吐いた息)でも1分程度はタバコの煙が出ています。
ベランダや換気扇下で吸った後、子どもなどと至近距離で会話をすると
結果的に濃厚な受動喫煙をさせていることになってしまいます。

またタバコを吸っている人の衣服には、タバコの有害成分をが付着しているので、
そこでも長時間が経過していても、タバコの有害物質の影響があります。

胎児期から母親が喫煙又は父親が喫煙者であると、
子どもの低体重や喘息などの病気のリスクが増えてしまうので、
若い人は子どものために禁煙をする方が多いのです。

今では小学校で「喫煙や薬物依存について」の授業があります。
タバコや薬物など依存性のあるものは、
心身ともに有害であることを理解させる必要があります。
子どもには、しっかりと自分の人生を考えた上で、
行動してもらいたいものです。

子どもに対して、周囲の大人としては、
「子供のお手本となるように」行動したいものです。