美容といえば、若い人のものと思いがちですが、
人は誰しも、年齢を問わず、
美しくありたいと思うはず。
女性に限らず、男性もあると思います。

先日「美容福祉の魔法のちから」という本を見つけ、
図書館で借りて読んでみました。

著者の木谷佳子さんは、
看護師・介護福祉士・美容師・ケアマネジャーの資格を持つ、
日本の美容福祉職の第一人者だそう。

特別養護老人ホーム、老人介護保健施設など、高齢者施設の入居者が
男か女かわからない、同じようなヘアスタイルと
個性のない同じような洋服を着せられている。
あまりにも介護者主体のスタイルに管理されていた。

そこで、施設の理美容室で、その人らしさを取り戻す、
カットやメイクを実践することで、
入居者の笑顔や会話などが戻ってきて、
積極的に生きる姿を取り戻すことができた事例が載っています。

この本が発行されたのは、10年前。
その頃、まだ私も福祉関係の職場に勤めており、
施設見学に行く機会もありました。

キレイな施設だけど、入居者は・・。

病院は病気を治療する場で、医療者が主体になっていますが、
施設は生活をする場であり、介護者主体ではなく、
入居者主体の場というのが本来の姿。

しかしながら、
施設は病院と同じような考えを持っていることが多いようで、
介護者主体で考えているところが、昔からあるようです。

高齢化が進み、介護施設も民間企業が参入し、
高齢者専用住宅や有料老人ホーム等がたくさん建設されています。

有料料人ホームだど、
入居金が数百万~一千万以上、月々の利用料が20万以上が当たり前。
自宅を処分して、もしも何かの時の安心を目的に
介護が必要でない方でも、入居される方も結構いらっしゃいます。

施設はできたばかりで、新しくてキレイでピカピカ✨
でも入居している高齢者の方々は、
同じようなくすんだ色の洋服を着て、
車いすに乗せられて、リビングのテレビの周りに置かれている。
それが、よくある施設内の風景でした。

入居者の一部は、隣同士で会話をするのは少数派。
介護度が高い施設ほど、会話もなくテレビの音量だけが耳に入り、
施設職員が慌ただしく動き回っている印象です。

認知症など、脳の機能低下による病気であると、
表情や会話ができなくなることはあります。
薬は対症療法でしかなく、
どのように生活するかが、病気の進行に大きな差が出ます。

施設に限らず、在宅でも
会話や笑顔のない、変化のない毎日は、
「生きる楽しさが感じられない」のではないでしょうか?

高齢者になると、日常のことでも、ちょっと動くのが億劫になりがち。
病気や体調が悪いとなおさら、ただ横になって過ごす時間が増えていきます。
それが寝たきりなどのきっかけとなり、
「寝たきり生活への負のスパイラル」に陥るのです。

これでは、どんどん寝たきりで介護の必要度が上がる人が増加。
介護される人の生きがいも低下して当然のこと。
これで本当に良いのでしょうか?

誰でもキレイになるのはうれしいしこと、それが生きる力になる

どんな状況であれ、プロなど人の手を借りることにより、
キレイになることは、ワクワクしてうれしいもの。
ワクワクする気持ちが、笑顔だったり会話をするようになる、
生きるきっかけにつながるのです。

私も訪問看護ステーションに勤務していた時、
ケアでマッサージをしたり、ネイルをすることで、
体調が悪く、ツラい状態であっても、
少しリラックスして笑顔が出るのを何度となく経験しました。

普段は自分では、恥ずかしくもあり、
メイクなどは、何もしないことがほとんど。
人の手できれいにしてもらうことは、
若くても老いていても、うれしいもの。

年老いたから、キレイにしてはならないルールがないはずなのに、
高齢者の方は「自分は年老いている」から、
「キレイになれない」と遠慮がち。
でも、そんなことはありません。

人の肌には、元々の地肌の色があったととしても、
カラーを足すことで、肌がキレイに見えるのです。
メイクやネイルなどで、
カラーを足すと明るくキレイに見えるようになるのです。
本当に不思議です。

人それぞれに個性があり、人生があり、
全く同じ人はいないはず。

生きる上で、自分らしさを出すこと。
それがメイクやヘアスタイル、ネイルで実現できるのです。
どんな状況であれ、可能であるならば、
キレイになる権利があるような気がします。

だからこそ、美容福祉に関係する人が増えれば、
多くの人に生きる力を与えられる人が増えることになります。
今後の美容福祉界の発展を
私は期待しています。