介護・福祉の現場の労働環境も、かなり過酷です

先日テレビ番組にて、
中学校教員の時間外労働平均月50時間以上であり、
過労死のラインを超えているそうです。

正規の教員としての仕事以外に部活動の顧問などもあり、
休みのはずの週末も、部活動や担任のクラスの親からの電話対応など
時間外の対応や休日出勤も当たり前らしい。

現役30代の教員の覆面インタビューもあり、
教員自身の健康問題もあるが、家族内の関係にも大きく影響が出てしまい、
部活動の顧問を降りたとのこと。
その結果、本業の教員としての仕事が充実してきたとのこと。

志を持って教員になったのでしょう。
現実問題はかなり問題も多く、自己犠牲をしているのが現状なのです。

介護・福祉の現場だって、過労死は珍しいことではない

福祉の現場でも同じようなこと起きています。
私は介護・福祉の現場で働いていた時、その状況を間近で見ていました。

地域包括支援センターで働いていた職場は、併設でデイサービスがありました。
介護産業は儲かると思われたらしく、
異産業からの参入が非常に多かった時期もありました。
近隣での新規開設なども頻繁にあり、
激しい利用者獲得競争が繰り広げられています。

デイサービスの正職員は、朝8時頃には出勤して準備をし、利用者の送迎に出発。
デイサービス中は、利用者の対応はもちろん、他のスタッフとの連携対応など、
息をつく暇もなく駆け回る。
昼休憩も利用者と一緒に食事介助をしながら食べ、
本来の休憩時間は、事務所で事務作業をして、休憩がほぼない状態。
夕方に利用者を自宅へ送り、戻ってきたら職員ミーティング。
ミーティング後は、21時過ぎまで事務作業。
翌日自分が休日ならば、もっと残業して帰宅という勤務をしていました。

年々介護報酬が下げられることにより、
かなりタイトな人員で組まれる状況が続いてました。

パート職員の募集をかけても、応募があまり来ない。
やっと人員確保でき、職場に慣れても、また別の人が退職など
人員が満たされていることが少ないのです。
人手不足は結局、正職員に長時間労働を助長させている原因のひとつです。

私の目の前で起きた過労事件

私が勤めていた職場で、
年度末の時期にデイサービス担当正職員がひとりだけの状況になり、
過労で勤務中に倒れてしまう事件が起きました。

私は倒れた職員に付き添い、病院の救急外来へ同行し、
職員のご家族の到着を待ちました。
身重の奥さんが病院到着し、私が倒れた時の状況説明をしました。
その時奥さんが、職場への不満を訴えてられていたのをよく覚えてます。

当たり前です。
大事な夫が職場の犠牲で健康を害し、この先の生活を考えれば不安になる。
まして出産を控えた妻としては、このような労働環境を放置しているのには、
理解・納得できるわけがない。

幸い倒れた職員は、大事に至らずに済みました。
そして年度が替わり、新しい職員が加わり、
職場の窮地はとりあえず脱しました。

介護職の現場では、慢性的な人手不足。
それが原因で職員の長時間勤務が続き、
職員の過労が原因で、長期休養や退職へ。
更に悪化する勤務体制で、綱渡り状態が延々と続いているのです。

長時間労働の結末は・・心身の健康破綻や家庭崩壊

別の職員から聞いた話。
デイサービスの正職員の家庭は荒れているのが当たり前とのこと。
その影響をいちばん受けるのが子どもであり、
子どもが心身に何らかの問題を抱えているのは、珍しいことではないそうです。

中学の教員だけではなく、
介護・福祉の現場の職員も、相当シビアな勤務状況なのです。

この先高齢化が進み、介護職はもっと必要とされることになりますが、
このような労働環境では、介護の受け皿がどんどん減ってしまう一方なのです。
本当にそれで大丈夫なのでしょうか?

日本の高齢化・介護社会を支えている介護・福祉現場が、
このままでは崩壊してしまうのではないかと思います。

あなたにとって「働くこと」とは、何ですか?

あなたにとって「働くということ」とは、どういう意味がありますか?
・生活のため?
・自分の自己実現のため?
・社会貢献のため?
人により違いはあるとは思います。

介護・福祉の現場では、驚くような安い賃金で、心身をすり減らして働き、
健康や家庭を壊すようなことが頻繁に起きています。

本当に介護・福祉の職員さんは、心が優しい人が多いと思います。
福祉の奉仕の心を利用して、心身や家庭をボロボロにさせている、
今の介護・福祉業界の労働環境に納得いきません。

政府は「働き方改革」と言いながら、
「繁忙期は、時間外労働100時間以内にする」とか言ってました。
今までそれ以上が常態化していた有名企業も多かったのかもしれませんが、
政府が決めれば、過労死が防げると思っているのでしょうか?

そんなの政府で認めてしまったら、
「働く人は心身を壊してでも、100時間内は働いてください」と言っているようなもの。
制度化したら、過労死を結局容認するようなものではないですか?
私はそう思います。

「日本人は諸外国と比べ働きすぎだ」とよく言われています。
本当はもっとワークシェアなどにより、
ひとりあたりの労働時間の短縮や週休3日にする方が、
根本的な「働き方改革」だと思います。

「日本人はまじめで勤勉な国民」が故に
長時間労働が常態化した働き方。
そこを何とかさせるのが、国や政府がやるべきことではないでしょうか?

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